オプティカルボンディング 採用のCX-5はやはりすごいと思う!

シェアする

オブティカルボンディング という言葉を聞いたことがあるでしょうか?ディスプレイとカバーパネルを貼り合わせる技術のことを指しますが、大半の方は聞いたこともないでしょうし、まぁ意識することもないのだと思います。現在のスマートフォン、タブレット等の大半はこの技術を使って製造されています。なぜ大半が採用することになったのか?というと圧倒的に見た目がきれいなるからです。液晶自体の進化だけでなくこういった技術も綺麗に見えるということに貢献しているんです。

一般的なスマートフォンを想像して下さい。LCDがあってその上に意匠パネルでカバーをしているものが殆どというか全てそうです
埋め込み画像 2
断面図で書くとこんな感じですね。
従来はこのLCDとカバーパネルの間にはギャップがありました。何故かということですが、昔はこのギャップを埋めるという発想自体があまりなかったですね。また抵抗膜方式のタッチパネルが使われている場合はギャップ自体を埋めてしまうとタッチパネルが機能しないためギャップ自体が必要だったというケースもあります。

※抵抗膜方式タッチパネルとは

いわゆる圧力を感知することで押された位置を検出するタイプのタッチパネルです。昔は基本これでした。圧力を関知するため物理的に画面を押した際に画面自体が若干たわむ(凹む)ことが必要であるため、この隙間を埋めると機能しなくなります。ただ、圧力関知であるため、手袋していようが、爪であろうが、絶縁物であろうが圧力をかければタッチパネルとして機能します。この点が現在主流の静電容量方式のタッチパネルとは大きく異なるところですね。

※静電容量方式タッチパネルとは

現在のスマホ、タブレット等は殆どこの方式です。抵抗膜との最大の違いは上述の通りですが、静電容量方式という名前からも分かるように、所謂電気抵抗の変化を検出することでタッチした位置を検出します。その為絶縁物でふれた場合は電気抵抗に変化が無いため反応しません。人間も爪ではなく指で触れる必要があります。手袋もスマホ対応手袋とか言って売られているものがありますが、あれは指先部分に導電性を持たせる構造になっているから使用可能になりますが、通常の手袋であれば操作出来ません。この方式は抵抗変化を見ているのであって圧力は関係ないため隙間が無くても問題無いわけです。

空気層が与える悪影響

オプティカルボンディング を採用する理由として見た目が綺麗になると冒頭に書きましたが、他にもメリットはあります。その前に空気層があることのデメリットを見てみましょう。

デメリット①

埋め込み画像 1
人の目は液晶から出て来る映像=光を見ているわけですが、液晶から出た光は空気層を経由してカバーパネルを通り人の目に届きます。液晶とカバーパネルの間に空気層があるとその間で乱反射がおこります。その為元々の映像が減衰した形で人の目には届いてしまうということになります。

デメリット②

埋め込み画像 3
次は液晶からの光ではなく液晶の外からの光です。太陽光であったり蛍光灯だったりといった光も普段意識することはありませんが、液晶からの光と同じようにカバーパネルを通り液晶まで透過しています。これも液晶とカバーパネルの間で反射を起こすことになるため視認性を悪化させる要因の一つとなります。これは外光の要因なので真っ暗な部屋の中で画面を見るときは①の影響だけとなりますので真っ暗で画面を見る場合は電気をつけて見る場合と比較して視認性がアップします。
※カバーパネル表面の反射に関しては後述

デメリット③

埋め込み画像 5
空気があるということは、その空気自体の変化に影響を受ける可能性があります。代表的なのは温度変化に伴い発生する結露です。通気性がある場合はいいですが、昨今のスマホのように防水なんて仕様にする場合はこんな空気層があると確実に結露等の発生が危惧されますね。結露を繰り返すと当然その細かい水滴が痕として蓄積するため映像が悪化するという事になります。昔は白く濁って見えるようになったりしてた記憶があります。

デメリット④

埋め込み画像 6
空気層と言っていますが要は隙間ですね。隙間があるということは外部から応力が掛かった際にたわむスペースがあるということです。これにより機械的強度を考える必要があります。カバーパネルによく使用される材質としてはガラス、アクリル、ポリカーボネートというのが代表的なものです。このうちガラスとアクリルは外部からの衝撃に耐えられない場合割れます。空気層=何も無い訳ですから、仮に割れた場合その破片を保持するものも何もないということになるので、その破片が飛んで行くことも考えられます。これが人に当たれば怪我をすることも十分に考えられます。なので昔はスマホもカバーパネルの裏に飛散防止フィルムというようなものを貼り付けて仮に割れたとしてもその破片が飛び散らない様にしていました製品も多数ありました。ちなみにポリカは割れには強い方ですが、表面硬度が弱いのでガラス、アクリルと比較すると傷が付きやすいという欠点もあります。(もちろん割れない訳ではありませんので)

素材の特性

カバーパネルに使用される素材として一般的な3種類を挙げましたが、各材の一般的な特性は下記のと通りです。
埋め込み画像 7
※一般的な話です。
光学的にはガラスが一番綺麗で、次にアクリル、ポリカという順ですね。信頼性、光学特性含めて一番はガラスですが割れるということとコストが高いという点でスマホではアクリル、ポリカが使われることが多いのだと思います。
よく保護フィルムの謳い文句で9Hとか書いてあるのを見たりしますが、あれは鉛筆硬度と言われるもので、数字が大きければ大きいほど鉛筆硬度は高いということになります。9Hの鉛筆でガリッとやっても傷つかないのが9Hって意味です。アクリルだと2Hくらい、ポリカだとHBくらいかな?人間の爪で傷がつくのが2Hくらいなんて言われるんで、それくらいにはハードコートしたりして強化して使うのが一般的にですね。

オプティカルボンディング のメリット

色々と話しが逸れたりしてしまってますが、オプティカルボンディングのメリットです。
埋め込み画像 2
先に述べたデメリットがかなり解決されます。
①カバーパネル裏面での乱反射が軽減されます
②外光のカバーパネルとLCD間の乱反射が軽減されます。
③隙間無く樹脂で埋めてしまうので結露しません。
④隙間が無くなるため外部応力に対する機械的強度が上がり、仮に割れた場合も飛散しません。
OCA : Optical Clear Adhesive
OCR : Optical Clear Resin
OCAは光学接着剤をシート状にしたもの指します。イメージは両面テープ。両面テープなので厚みを稼ぐのは難しく基本は薄いものしか出来ません。スマホのようなベゼル無し液晶に対して貼り合わせるのには量産性もあり適していると思われます。
OCRは液状なのでOCAで出来ない厚みの必要な製品、例えばベゼル付き液晶であったり、異型、カーブしているような製品に対して適しています。ただOCRの場合は貼合するための技術、設備等が必要でまだあまり多くは使われていないようです。
技術的・製品的にも細かいメリット・デメリットがありますが、あまり詳しく説明しても意味が無いと思いますので割愛します。もし知りたい方がいらっしゃればお問い合わせ下さい(いねーよ笑)

OCRでの貼合例

なぜ乱反射が軽減されるか?

これは屈折率によるものです。一般的に空気の屈折率は1.0とされています。それに対してガラス、アクリル等は1.4~1.5くらいの屈折率となります。屈折率とは簡単に言うと”その物質がどれくらい光の方向を変えるか”ということです。ということで空気とガラスの屈折率が違うことからその界面で光の方向が代わりロスをするという状態がギャップ(隙間)があった状態です。屈折率がほぼ同じ材料でその隙間を埋めてしまえば光のロスが抑えられるといことなんですね。(可視光の範囲)
なので一般的なOCA、OCRの屈折率は1.4~1.5の特性を持っているものが殆どです。
あまりピンとこないと思いますが、人の目は光の反射でそのものを認識しています。なので反射しなければ認識出来ないということですが、この映像を見ると分かりやすいと思います。

見えないガラス

屈折率が同じだと人の目はそのもの自体の存在を認識できないという例ですね。
あとは表面からの反射を対策すれば更に視認性が向上します。この対策として現在使われているのは

表面の視認性向上方法

・AR(Anti reflection)処理

・AG(Anti glare)処理

といわれるものがあります。
ARは表面へ反射した光を打ち消しあうような薄膜処理を行います。これは光の波長を変えてあげるような機能を持たせるため表面は若干色が変わって見えます。一般的には青みがかって見えるようなものが多いです。AGは表面に微細なパターンを加工しいわゆる真っ直ぐ反射しないような構造を付けることで反射を抑制するという方法です(これは原理上反射しないようにすればするほど透明度を失います)
片面だけ対策してなんて話もコスト的にはありますが、折角片面やるなら表裏やっておかないともったいないと思ってしまいます。

CX-5 (KF)のセンターディスプレイ

もともとこの話をするつもりだったんです・・・・前置き長すぎた
実はCX-5のセンターディスプレイは オプティカルボンディング されています。だから何と言われそうですが、日本の車両メーカーは今まで殆どオプティカルボンディングを採用していませんでした。恐らくマツダが日本車としては初めてこの技術を導入したのではないかと思います。(デミオとかアクセラ、アテンザも同じかな?いつからなんだろう?)違ったらごめんあさいwww

前置きで述べたように オプティカルボンディング を行うことで視認性能向上、見映えアップということで欧州の車では何年か前から既に採用されており、BMW,Audiなどで高級感を演出するのにさり気なく採用されていました。あくまで大々的にそれを宣伝することはなく、さり気なくです。

こういった先進技術は常に民生品、いわゆる家電から採用されて何年か後になって車へも搭載されるというのが従来の流れです。ただ日本のメーカーはこの部分に対してすごく遅れいてるんです。勿論車の開発は家電製品に比べて時間を掛けるので、遅れてから搭載されるのは当たり前なんですが、日本のメーカーはあまりにも遅いと思います。
欧州メーカーが採用してリリースされた車輌を見てからようやく、やるか~と開発をスタートするみたいな感じがします。今回今年の7月にリリースされたトヨタのカムリを見ましたが、ディスプレイは相変わらずオプティカルボンディングは採用されておらず、あぁまだなんだと思った次第です。
トヨタも次期クラウンではディスプレイがオプティカルボンディングされるという噂がありますがどうなんでしょうね~東京モーターショーにも出てましたがインパネまでは確認できなかったので真偽は不明。
そういう意味ではマツダはさりげない所でも頑張って新技術を投入してきているんだな~と改めて感心しました!ということを言いたかっただけなんです。フルモデルチェンジを待たずにマイナーチェンジでその時点で使える最新技術を惜しみなく投入するのはユーザー目線では非常に好感が持てます。これからも頑張って欲しいです!!!



シェアする

フォローする