自動車信頼性評価 ランキング(VDS)について考えてみた

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自動車信頼性評価 ランキング VDS

自動車信頼性評価 (Vehicle Dependability Study)と言われるランキングをアメリカのJ.D.POWERという調査会社が毎年発表しています。このランキングは実際に新車から3年間車に乗ったオーナーに聞き取り調査を行い、直近12ヶ月間のトラブルの内容を各カテゴリ毎に集計を行なってどの車が一番トラブルが少ないのかというランキングになります

177項目の項目/症例に分けての実際のオーナーが経験した不具合及び不都合だと感じる内容に関して集計を行いそれを100台あたりにした数字をスコアとしているので、その数字が少なければ少ないほど不具合、不満が少ないメーカーということになります。

3年間乗った車に対する調査となるので、調査年の3年前の年式の車が対象となります。
このランキングから分かることはどのメーカーが信頼性が高いのか?オーナー満足度が高いのかということですね。中古車を選定する際にも年式を参考にするのは傾向を見る意味では良い指標にもなるかもしれません。実際車種を絞った場合その車自体のデータを確認することも可能です。(http://www.jdpower.com/cars/awards/vehicle-dependability-study
ただあくまでアメリカでの調査なので、日本とは運転する人も環境も異なりますし、仕様も同じとは限りませんのであくまで参考レベルと考えたほうが良いですね。

自動車信頼性評価 (VDS) 2016年~2018年度版ランキング

1位はレクサスです。これで7年連続とのことです。あれだけ厳しい管理をしているわけですから当然と言えば当然なんでしょうが、それでも消費者調査で他の名だたるメーカーを抑えて1位というのはさすがです。どこまで連続首位をキープ出来るのか?

2位がこれもポルシェが3年連続ですね。まぁ超高級スポーツカーメーカーなのでこれも当然なのかもしれませんが、昔のポルシェはよく壊れると聞いていたので、個人的には意外でした。

3位がビュイック(GM)ということでアメ車なんですね。アメリカの車の品質もあがっているんですよね。偏見を持ってはいけません!
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日本のメーカーだとレクサスは1位なんですが、それを除くと意外に低いんですね。現代、KIAの韓国勢が2018年は飛躍しているようで、特にKIAは2018年だと5位に入っています。アメリカでは完全に市民権を得た感じですね。日本では売ってないんで見かけることもないですが・・・
このグラフを見ていると2017年の赤いバーが突出しているように見受けられます。2014年式の車について各メーカーの数値が大体傾向的に悪化しているように見受けられます。FIATなんか酷いですね。
はっきりしたことは言えないんですが、2014年頃の車から自動ブレーキであったりCAR PLAY等の新技術が多くリリースされたことも有りそういった関連の不具合から不満が多く出たのではないかと推測します。

自動車信頼性評価 (VDS)Key Findings

まず2015年~2018年度版の調査の主な調査結果を見てみたいと思います。

Key study findings~2015

more than 34,000 original owners of 2012 model-year vehicles.
  • Among owners who experienced a Bluetooth pairing/connectivity problem, 55 percent say that their vehicle would not recognize their phone, and 31 percent say the phone would not automatically connect when entering their vehicle.
  • The number of engine/transmission problems remains high. Nearly 30 percent of the reported powertrain problems are a result of automatic transmission hesitation and rough shifting.
  • Six of the top 10 problems are design-related as opposed to defects or malfunctions.
  • By vehicle category, the most frequently reported problems are related to exterior, followed by engine/transmission and audio/communication/entertainment/navigation.
  • Overall vehicle dependability industry-wide averages 147 PP100, or approximately 1.5 problems per vehicle.
ブルートゥースのペアリングとか携帯電話との接続に関する問題が多いようです。ただパワートレイン関連の問題も30%近くあがっているようでこのあたりは従来から存在する項目でしょうね。全体的に見るとPP100の値としては平均が147ポイントということで、1台あたり約1.5件の問題があがっているということですね。

key study findings~2016

33,560 original owners of 2013 model-year vehicles

  • The overall industry average is 152 PP100 this year, compared with 147 PP100 last year.
  • Among owners who experienced a Bluetooth pairing/connectivity problem, 53% said the vehicle didn’t find/recognize their mobile phone/device.
  • Among owners who indicate having experienced a voice recognition problem, 67% say the problem was related to the system not recognizing/misinterpreting verbal commands.
  • The number of engine/transmission problems decreases to 24 PP100 in 2016 from 26 PP100 in 2015.
  • Seven of the top 10 problems are design-related. Design-related problems account for 39% of problems reported in the study (60 PP100), a 2-percentage-point increase from 2015.
全体の平均として152ポイントということで2015年からは5ポイント悪化しています。相変わらずブルートゥースの接続問題は超ポピュラーなようですが、日本だとあまり聞かないのは音声コマンドの認識状況ですね。問題のトップ10の中で機能の不具合というより設計に対しての苦言みたいなものが7件入っているということで、まぁ、なんでこんな所にこのスイッチがあるの?!とかパネルのデザインが気に入らないとかそういったたぐいのことでしょうか・・・

Key study findings~2017

35,186 original owners of 2014 model-year vehicles

  • Continuing increases in technology-related problems have contributed to dependability worsening in the industry for a second consecutive year. The industry average of 156 PP100 is a 4 PP100 increase from 2016.
  • The Audio/Communication/Entertainment/Navigation (ACEN) category continues to be the most problematic area, accounting for 22% of all problems reported—up from 20% last year.
  • For a third consecutive year, the problems most reported by owners are Bluetooth pairing/connectivity and built-in voice recognition misinterpreting commands.
  • New to the top 10 list of problems reported in 2017 is battery failure. In fact, 44% more owners report a battery failure this year than in 2016. Batteries are the most frequently replaced component not related to normal wear and tear in 3-year-old vehicles at 6.1%—up 1.3 percentage points from 2016.
ここでも触れられていますが、やはりテクノロジー進化、新機能に対してのバグ出しがこの年度に集中しているんだと思われます。その影響もあってPP100は4ポイント悪化して平均156ポイントとなっていますが、新しい技術に対する不満点が増えたことに対して4ポイントなのでその他の部分では減少していると考えられますね。ブルートゥース関連は相変わらずのようです。もうこれに関しては数多ある携帯との相性もあるので、永遠に残る部分なのかもしれません。
それ以外でこの年度からメジャーな問題としてあがってきているのがバッテリー関連です。ハイブリッド化による問題、アイドリングストップによる劣化等いろいろ出てるんでしょうね。

Key study findings~2018

36,896 original owners of 2015 model-year vehicles

  • In-vehicle technology continues to be most problematic: Audio/Communications/ Entertainment/Navigation (ACEN) remains a troublesome category for vehicle owners, receiving the highest frequency of complaints. The two most common problems relate to built-in voice recognition (9.3 PP100) and built-in Bluetooth connectivity (7.7 PP100).
  • Mass Market brands continue to close the gap with Luxury brands: The Mass Market average (143 PP100) is now just 7 PP100 behind the Luxury average (136 PP100). This is a result of many high-volume vehicles rewarding their owners with excellent long-term dependability.
オーディオ/コミュニケーション/エンターテインメント/ナビゲーション(ACEN)がメジャーな問題として挙げられています。CID化も進みこのあたりも統合される方向にあるなか、それを制御するのも新たな技術がいるでしょうし、使い勝手も色々と改善点があがってきているんだと思います。(音声認識とブルートゥースはデフォです)
この年度として触れられているのはいわゆる大衆カテゴリーの車と高級車カテゴリーのくるまのポイントの差が小さくなってきているということが挙げられます。大衆147ポイントに対して高級車平均が136ポイントと差は7ポイントしかありません。安い車を買っても満足度はそれ程変わらなくなってきているということでしょうかね。

自動車信頼性評価 (VDS)2016年~18年の平均

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2016年~18年度版3年間の平均値を並べてみました。レクサス、ポルシェ、ビュイックは変わりませんが、トヨタが4位に入ってきます。やはり信頼性を取るのであればトヨタ車か。ドイツ車もBMW、ベンツは上位にいますが、フォルクスワーゲンはかなり下位になってしまいますんで。ワーゲンの高級車部門であるAudiでもBMW,ベンツからはだいぶ離れて13位です。ドイツ車買うならやはりBMWかな(笑)
アメリカ車としてはビュイックが3位にいますが、GMC、シボレー等はフォードやクライスラーと比較すると上位にいるので、ビッグ3のなかではかなり抜けているように思われます。リコール隠しとか結構あった記憶がありますが・・・
それに引き換え同じく経営破綻組のFCAはフィアット、クライスラー、ダッジ、ジープ、ラム等軒並み下位にランキングしており大丈夫なのかなと思ってしまいます。
リーマン・ショック後も唯一経営破綻させずに頑張ったフォードですが、この調査ではFCAと同じくかなりかなり最下位に近い所にいますね。同じく大丈夫でしょうかね?

自動車信頼性評価 (VDS)日本メーカーの評価

日本メーカーだけ抜き出して比較してみました。
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※2016年~2018年日系車両メーカーVDS平均

前述の通りレクサスが1位。全体通してずーっと1位なので当然日本車のなかでも当然トップです。石橋を叩きまくって壊すくらい慎重に信頼性を確保しつつ、新しいテクノロジーも盛り込むということで、高級車ブランドの1つの地位を北米では確固たるものとしているといっていいでしょうね。

2位がトヨタ。信頼のトヨタ。大衆車になっても思想は変わりません。安心を求めるなら間違いないでしょうね。面白みは無いんですがね。

3位、4位にホンダ、アキュラが続きますが、高級ブランドのアキュラのほうが4位というのはどういうことなのかな?日本では展開されていないブランドなのではっきり分かりせんが、物足りないということなんですかね。

5位がニッサンの高級ブランドインフィニティ。7位がニッサン本体ということですが、ニッサンは日本のメーカーとは既に言えないのかもしれませんが、常に新しい技術をアグレッシブに導入してきています。その為不満点も多く出てくるのだと思われますが、積極的な技術導入によるものと好意的に考えたいと思います。

ニッサン、インフィニティの間6位はマツダが入りました。まぁ妥当なところか?一応日本メーカーの中では個性的なメーカーになりつつありますね日本ではスカイアクティブDというディーゼルエンジンがそれなりの地位を築きつつありますが、積極的に新しい技術を取り入れてきています。デザイン的にもカッコイイと思いますし、トヨタとの協業で今後どのような方向に進むかですが、是非頑張って欲しいメーカーです。

8位がスバルですね。北米ではかなり売れていると聞いていますが、意外にスコアは低いんですね。自動ブレーキが大々的に広めたのはスバルのアイサイトであることは間違いないと思いますが、日本ではどうしても地味ですね。この不満点の中身を見てみたいですね。

最下位は三菱です。もはや三菱ではないのかもしれませんが、日本では存在感ほぼゼロですね。アメリカではどうなんでしょうね?

ただ日系メーカーの中でレクサスを除くと韓国メーカーより全て下に来ているのはどうなんでしょうかね。韓国メーカーの品質がそこまであがってきているのか・・・

まとめ

こうしてスコア化されたものを見ると、各メーカーの評判というものがよくわかりますね。実際のオーナーの声なので、この声にメーカーも耳を傾けて改善を続けるとともに、やはり新しい技術は新たな購買動機を生むこともこの調査で分かっています。いくら信頼性が高くても旧態然とした製品を作り続けるようではユーザーの評価は得られない。特に今はまさに車が大きく進化、変貌を遂げていく過渡期にあると思います。EV化、CID化、HUD、通信、バッテリー、エアコン、ボディ等様々なものが従来とは全く違うものに変わっていこうとしています。この調査も5年後、10年後にどのように変遷していくかをウォッチしていくと面白いと思いますね。



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